現代の企業は多数のSaaSアプリに依存しており、マネージドサービスプロバイダー（MSP）にとっては大きな機会である一方で、可視性・セキュリティ・コスト管理といった課題も生じています。

‍MSPはSaaS管理プラットフォームを活用することで、クライアントの入社対応を効率化し、利用状況をリアルタイムで可視化し、セキュリティを強化し、退職時のアクセス削除を自動化し、さらに戦略的なアドバイザリーサービスを提供できます。これにより、単なる技術サポートではなく、ビジネスに不可欠なパートナーとして位置づけられます。

要点

• SaaS管理プラットフォームにより、クライアント環境全体の可視性と統制を提供
  
• 入社・退職プロセスの自動化で効率化とセキュリティリスク低減を実現
  
• SaaS最適化に関する戦略的アドバイスで差別化を図り、クライアント価値を向上
  

SaaSファースト時代におけるMSPの役割変化

従来のMSPは主にハードウェアやオンプレミスソフトの保守を担っていましたが、現在はクラウドサービスへの移行に伴い、新たなアプローチが求められています。

企業は平均して250以上のSaaSを利用しており、IT部門だけでは管理が困難です。そのためMSPは、サブスクリプション管理、利用分析、コスト最適化といったガバナンス分野での専門性を高める必要があります。

また、ハードウェア販売に依存せず、継続的なSaaS管理サービスを提供することで安定的な収益源を確保できます。さらに、クライアントはMSPに対し、SaaS支出の可視化、重複アプリの削減、セキュリティ遵守の保証を期待しています。

MSPが付加価値を提供できる領域：

• SaaS全体を俯瞰できるダッシュボード
  
• 入社・退職に伴うユーザ管理の自動化
  
• リアルタイムでのコスト把握と予算アラート
• 複数プラットフォーム横断でのセキュリティ監視
  

クライアント環境のSaaS管理で直面する課題

• 発見・棚卸しの不備：契約状況やライセンスが把握できていないケースが多い
  
• アクセス権管理の複雑さ：誰がどのアプリにアクセスできるか追跡が困難
  
• セキュリティリスク：多様なSaaSにより不正アクセスや情報漏洩のリスク増大
  
• コンプライアンス対応：業界規制（GDPR、HIPAA、SOXなど）への準拠が必要
  
• 未管理アカウント：IT部門を通さず導入されたアプリが管理外に存在
  

これらは戦略的業務に充てるべきリソースを圧迫し、サービス品質や顧客満足度に直接影響します。

MSPが成長と新規獲得に活用できる5つの方法

1. クライアントの入社対応を自動化

新入社員のアプリアカウント作成やライセンス割り当てを自動化し、数日かかる作業を数時間に短縮。役割別テンプレートやHRシステム連携により、初日から即戦力として業務開始が可能になります。

効果

• アクセス関連のITチケットを80％削減
  
• 2〜4日かかるセットアップを2〜4時間で完了
  
• セキュリティポリシーを一貫して適用
  

2. SaaS利用状況とコストをリアルタイムで可視化

部門ごとにバラバラに導入されたツールや重複契約を可視化。利用状況を分析し、非活用ライセンスの削減や重複アプリの統合を提案できます。

典型的な最適化提案例

• 重複アプリの統合
  
• 非活用ライセンスの削除
  
• 利用実績に基づく価格交渉
  
• より低コストな代替ツールの導入
  

3. セキュリティとコンプライアンスを強化

未管理アプリや非活用ライセンスを検出し、セキュリティリスクや規制違反の可能性を低減。ゼロトラスト評価やセキュリティ監査を高付加価値サービスとして提供可能です。

付加価値サービス例

• SaaSセキュリティ監査（四半期／年次）
  
• ID管理・多要素認証の評価
  
• 規制遵守状況のレポート作成
  

4. 退職時のオフボーディングを自動化

退職者のアカウントを即時に削除し、データ漏洩リスクを防止。役職ごとの退職フローを設定し、法的要件やデータ引き継ぎにも対応可能です。

実施内容

• アカウント停止・削除
  
• データ所有権の移管
  
• 権限・APIキーの失効
  
• 退職処理の監査レポート生成
  

5. 戦略的アドバイザリーサービスを提供

利用状況の分析やコストベンチマークをもとに、最適なアプリ構成や契約戦略を提案。クライアントのIT戦略全般を支援する信頼できるパートナーとしての地位を確立できます。

提供可能なサービス例

• SaaSベンダー選定と評価
  
• ライセンス最適化とリサイズ
  
• アプリ統合計画の策定
  
• 予算策定と将来予測
  

ジョーシスが実現するMSPの成功

ジョーシスは、マルチテナント対応・自動化機能・高度なセキュリティ・拡張性を備えたプラットフォームです。

主な特徴

• マルチテナント機能：複数クライアント環境を一元的に管理
  
• 400以上のSaaS連携：Microsoft 365、Google Workspace、Salesforceなど主要ツールに対応
  
• 高度なセキュリティ制御：役割ベースのアクセス制御、多要素認証、監査証跡
  
• スケーラブルな基盤：クライアント増加に合わせて自動拡張
  

まとめ

SaaS管理プラットフォームは、MSPにとって新規クライアント獲得と関係強化の強力なエンジンです。可視化・コスト最適化・セキュリティ強化といった即効性のある価値を提供し、信頼関係を築けます。

ジョーシスは、効率的な運用と戦略的アドバイザリーを支える基盤として、MSPの成長を後押しします。ぜひご活用ください。