導入前の課題
オンラインで各園の状況を管理する環境が整っておらず、固定資産などを把握できていない
台帳を見ながら資産管理をするため、突合せ作業に時間がかかる
行政に提出する廃棄申請を紙で対応していて手間がかかっていた
導入後の効果
ジョーシスのフィルター機能で必要なデータを抽出できるようになった
固定資産管理にかかっていた時間を1/5に削減できた
オンラインで管理できるようになり、行政監査の対応が簡略化した
「共に育つ、遊びの自立」を掲げ、子どもたちが安心して遊び、生活できる場を提供している、社会福祉法人杉の子保育会。
東京都世田谷区で11ヶ所の保育園を運営する同会では、保育園ごとに使用するツールが異なり、固定資産を把握できないなど、管理に関するさまざまな課題を解決するために、ジョーシスを導入しました。また、行政への申請を紙で行うなど様々な場面で時間を要していました。
今回は、情シス業務を担当している袴田さまと片倉さまに、ジョーシスを導入したきっかけや導入前の課題、得られたメリットについてお話を伺いました。
ーー従業員規模や毎月の入退社数、情シス体制について御社の状況を教えてください。
袴田さま
従業員規模は、総勢で約400名弱です。世田谷区に11ヶ所保育園を運営していて、そこに勤めている職員がほとんどになりますね。コーポレートで情シス業務を担当しているのは2名です。
入退社数は把握しきれていませんが、平均すると毎月2名~3名となります。他の業界に比べて、年度替わりで退職する方が多い印象ですね。他にも各園でばらつきはありますが、制度を利用して休職や育休を取っている職員も各園でそれぞれいるイメージです。
ーー現在導入しているSaaS数はどのくらいですか?
袴田さま
現在は、ジョーシスと連携しているDropboxとサイボウズのみですね。法人内では、スプレッドシートでデータを共有しています。
他には、こども施設向けICTシステムのコドモンを、保護者さまとの連絡や、職員の勤怠管理用に利用しています。
ーージョーシス導入前は、どのような課題があったのでしょうか?
片倉さま
そもそも、社会福祉法人は一般企業に比べると、情報システム分野でかなり遅れを取っていると感じています。特に1年前までは、各園でオンラインにつながりにくく不便なクラウドストレージを使っていて、法人内のコミュニケーションツールがメールのみという状況だったんですね。
約400名在籍している従業員に対して、コーポレートエンジニアもいないなか、法人本部の職員2名体制で情報システムの準備を進めてきました。職員が増えたところで、Dropboxへの切り替えやサイボウズの導入などを各園に訪れて対応していました。その際にパソコンのスペックが十分でなく、デバイス管理の必要性を感じました。
加えて認可保育園ということもあり、行政とのつながりがあるので、固定資産の管理をきちんとしなければいけない課題もありました。いままで廃棄申請を紙に記入して本部に届けてもらっていましたが、オンラインで確認できるようにするといった環境を整えている状況ですね。
ーージョーシスは、どのようなきっかけで知っていただけたのでしょうか?
袴田さま
法人本部でシステム関連のご相談をしているコンサルの方から紹介いただきました。「システムに関してこういった問題があるんですが、どうしたら良いですか?」と相談したときに、その方から「ジョーシスを使っている」とおすすめされて、導入しようと思ったのがきっかけですね。
ーー最終的に、ジョーシスに決めた経緯があれば教えてください。
袴田さま
お話を聞いてまずトライアルで使ったところ、こちらから各園の園長にも使い方を教えやすく、操作しやすい画面だったので、導入を決めさせていただきました。
そもそも職員の中にはITツールに不慣れな人も少なくありません。例えばDropboxを導入した際も、デスクトップアプリをインストールする際は本部職員が園に赴いて作業をしました。
ジョーシスの管理画面であれば、「ここをクリックして、廃棄・解約にチェックを入れてください」というように伝えるだけで処理できます。
ーージョーシスでよく利用している機能を教えてください。
片倉さま
デバイス管理とメンバー一覧ですね。まだ取りかかり始めた段階ですが、それぞれの園のITデバイス一覧を見て、どの端末が割り振られているのかといった固定資産を把握できるようにしています。
ーージョーシスを導入して、期待を上回った点はありましたか?
袴田さま
カスタマーサクセス・サポートの体制が整っていると思いました。弊法人は、他の法人に比べて特殊な使い方をすることも多いので、例えばCSV登録など「この場合はどうしたら良いのか」という疑問に対してもアイデアを出していただけるので、大変助かっていますね。
ーーありがとうございます。ジョーシスを導入してみて、メリットを感じられた点があれば教えてください。
袴田さま
固定資産管理に関してですね。これまでは紙の固定資産管理台帳を見て固定資産番号を目視で探して、書類に書いて印鑑をする作業があり、大体20分~30分かかっていました。さらに法人本部に直接提出しなければならず、出向いたり郵送したりで1日~2日はかかっていたと思います。
ジョーシスを導入してからは、デバイス管理で廃棄・解約日にチェックを入れるだけなので3分程度で対応できるようになりました。また、サイボウズで固定資産廃棄処分申請のワークフローに流しています。ジョーシスの導入で固定資産に関する申請にかかっていた時間を大幅に短縮できていますね。
片倉さま
ITデバイスに関しても管理画面上でフィルターをかけて、どの園に何がどのくらいあるのかを把握できるようになったので、確認作業の時間を短縮できるようになりました。
ーーツール導入などオンラインでの管理に取り組んでいますが、保育業界ではDX化は進んでいるのでしょうか?
袴田さま
保育業界の中でも特に社会福祉法人は行政への申請や行政監査の対応など、いまだに紙文化が残っています。最近では、区の私立園長会でkintoneを導入しましたが、それまではメールでのやり取りが中心でした。
ーージョーシスを含め、今後DX化に向けて取り組んでいきたいことを教えてください。
袴田さま
今後については法人全体で人事評価システムを導入する予定です。全職員の採用から退職までを一元管理できるよう活用を進めていきたいと思います。既に導入しているコドモンでは、本部アカウントを作成し全職員に向けてメッセージを配信したり、災害時には本部が災害対策本部として機能するよう対応していきたいと思っている所です。
また、現在ジョーシスでセキュリティ対策についての活用はまだできていませんが、各園で独自に作成しているメールアドレスをジョーシスに登録・把握することで、スムーズに管理できるようにしたいです。
片倉さま
また、今後取り組みたいなと思っているのは、従業員管理とスマートフォン管理ですね。現状では、全職員に対して本部からデバイスを貸与している訳ではないんですね。スマートフォンに関しては園から職員に渡して持っている状況です。
袴田さま
スマートフォンは写真撮影と園内の連絡ツールとして機能していて、保育ドキュメンテーション作成のために子どもたちの様子を撮影して園のクラウドにあげたり、お散歩に行くときなど万が一災害があった際に連絡が取れるように必ず持参しています。今後、ジョーシスを使って、スマートフォンのデバイスと紐づけて職員管理ができるのではないかと考えています。