
近年、リモートワークやハイブリッドワークが進み、業務やコミュニケーションの転換点を迎えた企業も多いでしょう。
そこで今回の「ジョーシスラーニング」では、ワークマネジメントツール・AsanaのHead of Japan Partnershipsとして働き方の進化に取り組まれている桐谷さんをお招きし、Asanaを活用した生産性向上の事例などをご紹介いただきます。
ハイブリッド勤務で生まれた新たな課題に対して外部ツールと連携して解決する方法や、Asana×Josysで実現するSaaS管理の効率化について解説します。
特にハイブリッドワークを導入する企業で、業務効率化や生産性向上に課題を感じている方はぜひご覧ください。

<スピーカー>
桐谷 圭介|Asana Japan Head of Japan Partnerships
ここ数年でリモートワークとオフィスワークのハイブリッド勤務は多くの企業で定着しました。SaaSツールの普及により働く場所を選ばずとも、社内メンバーとコラボレーションが実現できるようになりました。一方、ハイブリッド勤務により多くの企業が新たな課題に直面しています。
こうした現状を踏まえ、Asanaではどのような取り組みを行い課題解決に向き合ったのか、お話しいただきました。
また、退職者のアカウントやアクセス権限の迅速な削除はセキュリティ維持に欠かせません。Josysの数秒で完了するアクセス権の削除機能は、こうした運用を効率化し、リスクを低減します。詳細はぜひリンク先をご覧ください。

桐谷さん:Asanaは、「世界のチームが容易に協力し合えるようにし、人々の豊かな未来に貢献します」というミッションを掲げています。
容易に協力し合えるという部分がキーワードでして、とりわけハイブリッドワークでは一緒に協力し合うことに難しさを感じる企業も多いため、そこに対して策を講じたいという想いが我々の根底にあります。
そもそもAsanaルーツですが、実はCEOのダスティン・モスコビッツは、Facebook創始者のマークザッカーバーグのルームメイトで、Facebookの共同創業者でした。ダスティンは、FacebookのCTOとして活躍していましたが、会社が急成長し、社内が混沌とするなか、「タスク」と呼ばれる社内ツールを開発し、社内のさまざまな問題を解決していきました。
その時の成果をもとにダスティンはFacebookを退職し、Asanaを立ち上げたという経緯です。現在Asanaは世界190ヵ国で13万社以上の有料顧客を抱えるまでに成長しました。2019年に日本法人(Asana Japan)を立ち上げ、現在マーケットの拡大を進めている最中です。
桐谷さん:チームで行う仕事には混乱がつきものです。メンバーは自分が今やるべき仕事が何かわからなかったり、プライオリティ(優先順位)をうまく付けられなかったりして、仕事に追われるといったことは、どの企業でもよく聞く話でしょう。
そのような状況に対してリーダーやマネージャーは、オフィスにいれば「あの件どうなってる?」といったように、メンバーに直接確認することもできました。しかしながら、コロナ禍によって働く場所が疎外されたことで、こうした何気ないコミュニケーションが取りにくくなり、各メンバーの状況を把握しづらくなる問題が起きてしまいました。そうした状況で、Slackなどのチャットツールや、ZoomやTeamsなどのオンラインミーティングツールが普及したことは自然の流れといえるでしょう。

一方、メッセージを確認したりする時間が非常に増えてしまうという弊害も生まれています。
Asanaが独自の調査を行ったところ、実に勤務時間の60%がチャットメッセージの確認など、いわゆる非生産業務に奪われていることがわかりました。会議に参加して仕事をした気になってしまったり、会議の日程調整のために時間を費やすなど、仕事のための仕事に時間を使ってしまっていたことが浮き彫りになったのです。
もちろん、コミュニケーションツールの普及によって、メッセージのやり取りなどコミュニケーションの総量自体は増えています。しかしながら、そうしたコミュニケーション量の増加に対して、生産性の増加率が比例しているかといえば、そんなことはないんですね。むしろコミュニケーションが増えれば増えるほど、仕事の効率は下がり続けています。
桐谷さん:我々としては、こうした状況に非常に課題を感じています、Asanaが実現したいことは「全社の仕事が見える化され、把握のためのコストがかからず、みんなが迷うことなく仕事ができる状態を創る」ことで、それがプロダクトのコンセプトにつながっています。
本来仕事とは、いつまでに、誰が、何をするかが明らかにされていて、そのためにコミュニケーションを取ったり資料を作成したりするという順序です。つまり、手段よりも目的が先にあるべきです。
しかしながら、現状は仕事のための仕事であったり、目的が不明確のまま惰性で進められたりすることが非常に多いわけです。
そうした状況を改善するためのツールがAsanaになります。Asanaを使うことで、会社全体のミッションから、プロジェクトの総数や目標、各メンバーに割り振られたタスクがすべて可視化されるようになります。加えて、メンバーごとの業務量を把握し、業務量の差配やメンバーの生産性を計測することも可能です。

このように、Asanaを通じて透明性の高い働き方を実現することで、全社横断でのコラボレーションが生まれたり、現場社員一人ひとりの生産性向上につながったりしています。こうしたことからもAsanaは、「全社を見える化するワークマネジメントツール」というコンセプトを大切にしています。
「全社を見える化するワークマネジメントツール」という思想で開発されたAsanaですが、実際に導入した企業ではどのような成果をもたらしているのでしょうか。ここでは、Asanaを導入した企業の実例をAsanaの特徴を踏まえて解説します。

桐谷さん:1つ目に紹介するのは、300名ほど従業員を抱えていらっしゃる自動車部品メーカー様の事例です。こちらの企業は、業界内の厳しい競争環境のなか、M&Aを通じて規模の拡大を続けていました。
しかし事業規模が拡大するにつれ、誰がどの仕事をしているのか見えにくくなり、業務生産性が下がるという問題が発生していました。
管理ツールも使われていましたが、思うような成果が得られない状態だったところ、あるタイミングでAsanaのトライアルをお申し込みいただきました。
Asana導入後は、従来のツールに比べて使いやすさを感じたうえ、業務効率化の面でもすぐに成果を体感いただきました。例えば、当時は役員会議が夜間にまで及ぶことも珍しくありませんでしたが、Asanaを使って事前にアジェンダを設定したことで、ほぼすべての会議時間が半減したそうです。
さらに会議の参加者は事前に意見をAsanaに投稿しておくことで、建設的なディスカッションが行われるようになりました。その結果、現場の課題が明確になり、解決策に対する判断スピードが早まり、仕事がどんどん前に進むようになりました。
その他にも、調達業務における見積もり依頼や発注管理をボード表示(カンバン形式)にしたところ、指示漏れや確認漏れがなくなったこと。そして、今まで勘と経験に頼っていた生産工程管理から脱却し、誰が・いつ・何をしているかが見える化され、適切なリソース配分も可能になりました。
Asanaを導入したことで、会社全体に発生していた無駄な工数や、確認にかかる非生産的な業務がなくなり、業務生産性の向上へとつながったのです。

桐谷さん:総合水事業を手がける企業様では、DX推進プロジェクトの一環としてAsanaの活用を全社に広げ、業務生産性向上を図っていただいています。
Asana導入前は、一人の担当者が複数のプロジェクトを抱えており、マネージャー側も誰が・何を・いつまでに行うといった調整を行う余裕すらなくなっていたことが顕在化していました。
こうした状況が続いた結果、業務の優先順位がわからなくなり、対応漏れタスクの発生が常態化し、緊急度が高い仕事に追われるといった悪循環に陥ってしまいました。
そうした状況のなか、Asanaを導入したことで、各担当者が自分のやるべき仕事を見失わなくなり、管理者がメンバーの仕事量を正しく把握し、タイムリーかつ的確な対応ができるようになりました。
さらに、過去のログを活かし業務プロセス改善に着手するといった社内プロジェクトが立ち上がるなど、業務生産性の向上につながっています。
オープンAPIのAsanaは多くのSaaSツールと連携が可能です。Asanaの連携は具体的にどのような成果をもたらすのか、いくつかのツールを例に解説いただきました。
桐谷さん:AsanaはオープンAPIなので、非常に多くのツールと連携が可能です。例えばGmailやSlackと連携すれば、返信すべきメールやメッセージをAsanaのタスクとして入れることも可能です。
その他にも、Zoom会議をAsanaのタスクに連携させることで、会議内容をアクションアイテムとしてシームレスに落とし込むこともできます。これにより、各会議で参加者全員に対して事前に会議内容や背景を共有したり、議事録をタスクにリンクさせるといった使い方も可能になります。
さらに、JosysのSaaS管理プラットフォームを活用することで、複数のSaaSアプリの管理を一元化し、運用効率とコスト削減を実現できます。より詳しい活用方法については、Josys SaaS管理プラットフォームで時間とコストを節約する方法をご覧ください。
桐谷さん:Asanaについていただく質問として、「Slackなどのチャットツールと何が違うの?」と聞かれることがあります。大きな違いとしては、チャットツールの場合は、受信したメッセージがどんどん流れていってしまいますが、Asanaの場合は流れていくメッセージを留めておけるツールというイメージです。
チャットツールの場合はリアルタイムの同期性が重要になりますが、AsanaとSlackを連携させることで、自分の好きなタイミングでメッセージを見返すことが可能になります。
例えば、チャットを使って資料作成を依頼する場合だと、どんな資料を作ったら良いかなどのメッセージのやり取りがどんどん流れていってしまい、あとから検索して見返すのが非常に手間がかかります。
そこで、Asanaで「資料作成」というタスクを作り、必要なチャットメッセージをそのタスクに入れ込むことで、スムーズに進められるようになります。
作成したタスクには、いつまでに、誰が、何を、どのようにやるかといったように、担当者と期日、依頼内容といった仕事に必要な情報がひとまとめに登録されるため、依頼者や担当者は管理がしやすくなり、仕事の抜け漏れを防ぐことにも役立ちます。
逆に過去の情報を参考に仕事を進めてもらいたい場合は、過去に完了した資料作成タスクのリンクをチャット側に貼り付けることで、一度のやり取りで必要な情報を伝えられるようになります。
―― Asanaは業務生産性向上のための単なる機能として導入するのではなく、会社のカルチャーも変えていけるということを実感しました。とても参考になるお話をありがとうございました。
今回の「ジョーシス ラーニング」では、ワークマネジメントツール・AsanaのHead of Japan Partnershipsとして働き方の進化に取り組まれている桐谷さんより、Asanaを活用した生産性向上のやり方について導入事例を交えて解説いただきました。
Asanaを活用することで、会社全体の生産性向上の実現が可能です。オープンAPIのAsanaは200以上の外部ツールと連携が可能なので、既存のツールと組み合わせて使うことで、より社内コミュニケーションの効率化や、無駄の削減に貢献するでしょう。
一方で、いくつものSaaSを導入した結果、アカウント管理や棚卸に苦労されている情報システム部門の方も多いのではないでしょうか?
ジョーシスでは、効率的なアカウント管理を実現します。Asanaとの連携はもちろん、100以上のアプリと簡単にAPI連携やシャドーITも検知も可能です。「セキュリティ対策を始めたいけれど、何から手を付けたらいいかわからない」といった方にもピッタリです。
今回ご紹介した内容を踏まえ、Asana、そしてジョーシスの導入をぜひ検討してみてください。
特にシャドウITの把握と管理においては、Josysのブラウザ拡張機能が強力なツールとなります。従業員の未承認アプリ利用をリアルタイムで検知し、リスクを軽減する方法については、Josys ブラウザ拡張機能によるシャドウ IT の管理をぜひご参照ください。
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