
JosysとBetterCloudはどちらも、ITチームがクラウドアプリケーション全体にわたるユーザーライフサイクルプロセスの自動化・ソフトウェア支出の削減・可視性の向上を実現するために設計されたSaaS管理プラットフォームです。本ページでは、公開されている製品情報・G2レビュー・ベンダー公式ドキュメントをもとに、IT管理者・調達担当者が自社に最適なプラットフォームを選定できるよう、ファクトベースの構造化比較を提供します。
最終更新: 2026年4月
両プラットフォームの立ち位置・対象市場・第三者評価を俯瞰すると、Josysは日本発のグローバル対応IGAプラットフォーム、BetterCloudは米国発のSaaS管理プラットフォームという違いが鮮明です。以下の表で主要項目を並べ、どちらが自社の要件に近いかを一目で判別できるようにまとめました。
機能面では、SaaS検出・支出最適化・ユーザーライフサイクル自動化といった中核領域で両社とも対応する一方、デバイス管理・IGAの深度・日本語UI・国内SaaS連携の4点で大きな差が出ます。以下の表では、意思決定時に参照頻度の高い機能を抜粋し、対応可否と対応方式を整理しています。
両製品の成り立ち・強み・主要機能を短くまとめます。Josysは統合型のIGAプラットフォーム、BetterCloudはGoogle Workspaceを軸としたSaaS管理プラットフォームという性格の違いがあり、以降の差別化ポイントはこの土台から派生しています。
Josysは、複雑なSaaS・デバイス環境を管理するエンタープライズITチーム向けに構築された、AIドリブン型のID統制・管理(IGA)プラットフォームです。2022年設立・東京本社で、バンガロールとパロアルトにもオフィスを持つJosysは、グローバルで700社以上に導入されています。SaaS管理・デバイス管理・アクセス統制を単一プラットフォームに統合した一体型アプローチと、全機能を含む一体型価格体系で差別化を図っています。GartnerのMagic Quadrantに掲載された初の日本ベンダーであり、G2リーダーに2年連続選出されています。
主要機能: SaaS検出、デバイス資産ライフサイクル管理、アクセス申請・レビュー自動化、ノーコードAI連携ビルダー(カスタムコネクタ作成)、MSP・グループ企業向けマルチテナントサポート。
日本市場向けの強み: 日本語UIのフル対応、J-SOX(内部統制報告制度)対応のアクセス管理・証跡保全機能、SmartHR・freee HR・Kintoneなど国内主要SaaSとの連携、グループ企業・子会社を横断管理するネイティブマルチテナントアーキテクチャ。
BetterCloudは、米国ジョージア州アトランタに本社を置くエンドツーエンドのSaaS管理プラットフォーム(SMP)です。マルチSaaS環境における入社から退社までのユーザーライフサイクルプロセスの自動化を中心とし、特にGoogle Workspaceの深度管理に強みを持ちます。BetterCloudは200万人以上のユーザーと年間350億ドル以上のSaaSトランザクションを管理しており、G2のSaaS管理5カテゴリすべてでリーダーと認定された唯一のベンダーです(2026年春時点で36バッジ取得)。
主要機能: ノーコードワークフロービルダー、SaaS支出最適化、Google Workspace専用管理、Okta SCIM連携、Product Suite管理(Adobe・Atlassian・Salesforceのグループ化)、Slackベースの承認ワークフロー。
導入検討時に選定の決め手となる6つの観点を取り上げ、両社のアプローチの違いを解説します。デバイス管理・Google Workspace依存度・IGA・価格透明性・マルチテナント・日本市場対応の順に、実際のIT運用で影響が出やすい領域を掘り下げます。
JosysはSaaSアプリケーションと物理デバイス(PC・モバイル端末・周辺機器)の両方を単一プラットフォームで管理し、IT資産ライフサイクル全体を統合的に把握できます。BetterCloudはSaaSのみに特化しており、デバイス管理機能は提供していません。SaaSとエンドポイントの可視性を一元化したい組織は、BetterCloudに加えてMDMツールを別途導入する必要があります。
BetterCloudの深いGoogle Workspace連携は最大の強みの一つであり、Google中心の環境で運用するIT管理者にはネイティブの管理機能・セキュリティポリシー・ディレクトリ同期が活用できます。ただし、この専門性はMicrosoft 365を主要プロダクティビティスイートとして利用している組織や、混在・異種環境で運用している組織には最適とは言えません。JosysはGoogle WorkspaceとMicrosoft 365の両方に対応するプラットフォーム非依存のアーキテクチャです。
Josysは、自動プロビジョニング・デプロビジョニング、監査対応のためのアクセスレビュー(J-SOX対応を含む)、ロールベースアクセスガバナンスを含む包括的なIGA機能を提供します。BetterCloudはユーザーライフサイクルレベル(入社・退社自動化)でアクセス管理をカバーしていますが、専用IGAツールが提供するような体系的なアクセスレビューやポリシーベースのガバナンスの深度には及びません。
J-SOX対応について: 日本の上場企業・上場準備企業において、財務報告に関わるITシステムのアクセス管理をJ-SOX要件に準拠した形で整備・維持するには、アクセスレビューの証跡保全・権限分掌の管理・定期的な棚卸しプロセスが必要です。JosysはこれらのJ-SOX対応要件をプラットフォームとして直接サポートしています。BetterCloudにはこの対応機能がありません。
BetterCloudは主要SaaS管理プラットフォームの中で唯一、価格を公開しています: Discoverプランが$3/ユーザー/月、Manageプランが$6/ユーザー/月、Secureプランが$10/ユーザー/月(年間契約)。これにより、調達担当者にとって予算策定とベンダー比較が大幅に容易になります。Josysは全機能を含む一体型のカスタム見積もりモデルを採用しており、モジュール別費用は発生しませんが、価格確認には商談が必要です。導入前に価格を明確にする必要がある組織にとって、BetterCloudには明確な優位性があります。
Josysはネイティブのマルチテナント環境をサポートしており、複数組織のITを管理するマネージドサービスプロバイダー(MSP)やグループ企業管理に適しています。BetterCloudはマルチテナント機能を公式に公開しておらず、MSPや持株会社のシナリオでは対応に限界がある可能性があります。
Josysは日本語UIのフル対応、J-SOX準拠サポート、日本拠点のカスタマーサポートチームを備えており、日本国内で事業を展開するITチームや日本の規制コンプライアンスが必要な組織にとって実質的な選択肢です。SmartHR・freee HR・Kintoneといった国内主要SaaSとの連携も標準対応しており、日本企業の既存IT環境に自然に統合できます。BetterCloudは日本語サポートも日本固有のコンプライアンス機能も提供していません。
価格モデルは両社で設計思想が異なります。BetterCloudはティア別のユーザー課金を公開し予算策定のしやすさを重視、Josysはモジュール別費用のない一体型カスタム見積もりで全機能を提供する方針です。以下で主要項目を比較します。
BetterCloudの価格公開は当初の予算策定をわかりやすくします。ただし、セキュリティ・コンプライアンス機能を含むフルセットを利用するには、Secureティアの$10/ユーザー/月が必要です。Josysの一体型モデルでは、SaaS管理・デバイス管理・アクセス統制のすべての機能が最初から利用でき、ティアによる機能制限がありません。
Josysの価格については、営業チームにお問い合わせくださいまたは価格ページをご覧ください。
自社の状況に応じてどちらが適合するかを判別できるよう、代表的なユースケースごとに向き不向きを整理しました。日本市場での運用要件・Google Workspace中心環境・マルチテナント管理といった切り口で、選定の指針として参照できます。
Josysは、SaaS・デバイス・IGAを一体で扱いたい組織と、日本市場固有の要件を持つ組織に強く適合します。以下のいずれかに該当する場合、最有力候補として評価すべき対象です。
・SaaS管理とデバイス管理を単一プラットフォームに統合し、MDMツールを別途導入するコストと運用負荷を削減したい
・日本国内で事業を展開しており、J-SOX(内部統制報告制度)への対応が求められる組織。内部統制要件に沿ったアクセス管理・ログ記録・証跡保全を一元管理できる
・日本語UIのフル対応が必須条件となる情報システム部門・経営管理部門
・SmartHR・freee HR・Kintoneなど国内主要SaaSとのシームレスな連携が必要な環境
・マルチテナントサポートが必要なMSPやグループ企業管理のユースケース
・体系的なアクセスレビュー・ポリシーベースのプロビジョニング・監査対応レポートを含む包括的なIGAが必要
・350以上のアプリ(31カテゴリ)への幅広い連携と、AIコネクタビルダーによるカスタム連携構築が必要
・グループ企業・子会社を複数管理する持株会社や事業会社。ネイティブマルチテナントアーキテクチャにより、テナントをまたいだ一元管理が可能
・ティアによる機能制限のない一体型価格体系を希望する
BetterCloudは、Google Workspace依存度が高くSaaSユーザー自動化を主要ニーズとする組織に強みがあります。以下の条件に複数当てはまる場合、有力候補となります。
・Google Workspaceに深く依存しており、ネイティブの深度管理機能が必要
・予算計画・調達承認のために透明な定額課金が求められる
・デバイス管理やIGA管理よりもSaaSユーザー自動化(入社・退社処理)が主要ニーズ
・G2での広範な認定実績を重視する中堅〜大企業
・Slackベースの承認フローをITワークフローの中核として活用している
注記: 上記の適合性評価は、2026年3月時点での公開情報・G2レビュー・ベンダー公式ドキュメントに基づくものです。最終的な導入判断の前に、デモやトライアルによる検証を強く推奨します。
第三者レビューサイトG2に投稿された実ユーザーの声から、両プラットフォームの使用感と改善余地を整理します。公開レビューの代表的なコメントと、評価されている点・改善の余地がある点をそれぞれまとめました。
Josysに対しては、統合プラットフォームの使いやすさと日本語対応の手厚さが継続的に評価されています。中堅企業のITマネージャーによる代表的なコメントを引用します。
「SaaS管理とデバイス管理を一つのプラットフォームに集約できたことで、ITチームが入退社処理に費やす時間を大幅に削減できました」— IT Manager、中堅企業
高く評価されている点: 統合プラットフォームの使いやすさ、入退社自動化の手軽さ、サポートチームの迅速な対応、日本語対応
改善の余地がある点: レポートのカスタマイズ深度、ニッチなアプリの連携深度、初期セットアップ期間
BetterCloudに対しては、ノーコードワークフロービルダーの強力さとGoogle Workspace連携の深度が主要な評価点です。IT運用リードによる代表的なコメントを引用します。
「BetterCloudはSaaSスタックの管理に大きく貢献しています。ノーコードワークフロービルダーは強力で、チームがすぐに使い始められました」— IT Operations Lead、中堅企業
高く評価されている点: ノーコードワークフロー自動化、Google Workspace連携の深度、G2での認知度とブランド信頼性、オンボーディングワークフローの容易さ
改善の余地がある点: 上位ティアの価格設定の分かりにくさ、Google Workspace以外の環境での利用制限、デバイス管理の非対応
Josysは日本国内の様々な企業に導入されており、定量的な成果が報告されています。
・MerryBiz — Josys導入により、SaaSの重複契約・不要ライセンスを整理し、年間約600万円のコスト削減を実現。従来は手動管理していたアカウントのプロビジョニング・デプロビジョニングを自動化し、IT担当者の運用負荷を大幅に軽減。
・M&A Cloud — Josys導入により、入退社・異動時のアカウント管理業務を自動化し、年間約200時間の工数削減を達成。組織拡大に伴うSaaS管理の複雑化に対応しながら、セキュリティリスクの低減にも貢献。
これらの事例は、SaaS管理の「見えないコスト」と「属人的な運用」を同時に解消するJosysの特徴を端的に示しています。詳細な導入事例はこちらをご覧ください。
BetterCloudは、Google Workspace中心の環境・透明な価格体系・堅牢なSaaSユーザー自動化を必要とする組織に強みを発揮します。ノーコードワークフロービルダーとGoogle深度連携により、Googleベースの環境を主に管理するITチームに特に効果的です。G2のSMP全5カテゴリにわたるリーダー認定は、成熟した広く採用されている製品であることを示しています。
Josysは、SaaS管理・デバイス管理・包括的なID統制を単一の一体型ソリューションで提供することで差別化を図っています。ネイティブマルチテナントアーキテクチャ・日本ローカライズ・プラットフォーム非依存の連携設計が、BetterCloudが現時点でサポートしていない要件に応えます。特に日本国内での事業運営、J-SOX対応、国内SaaS連携、グループ企業管理のユースケースでは、Josysが最適な選択肢です。
Josysを選ぶべきケース: SaaS管理・デバイス管理・IGAを単一プラットフォームで完結させたい場合。特に、日本国内での事業運営・J-SOX準拠要件・複数テナント管理・グループ企業横断管理・国内SaaSとの連携が必要な場合。
BetterCloudを選ぶべきケース: Google Workspace中心の環境・公開価格による予測可能なコスト管理・デバイスやIGAの深度要件を必要としないノーコードSaaSユーザー自動化が主要ニーズの場合。
Q: BetterCloudはデバイス管理に対応していますか?
いいえ。BetterCloudはSaaS管理に特化しており、デバイス管理機能は提供していません。SaaSとエンドポイント管理を単一プラットフォームで実現したい組織は、ITアセットライフサイクル管理を標準機能として含むJosysの評価をお勧めします。
Q: JosysとBetterCloudの価格はどのように比較できますか?
BetterCloudはDiscover($3/ユーザー/月)・Manage($6/ユーザー/月)・Secure($10/ユーザー/月)の価格を年間契約ベースで公開しています。Josysは一体型のカスタム見積もりモデルを採用しており、モジュール別費用・ティア制限なく全機能が含まれます。貴社の規模・要件に応じた総保有コストを比較するには、Josys営業チームにお問い合わせください。
Q: 日本のITチームにはどちらが適していますか?
Josysは日本のIT運用を念頭に構築されています。日本語UIのフル対応・J-SOX準拠サポート・日本拠点のカスタマーサポートチームを備えており、SmartHR・freee HR・Kintoneなど国内主要SaaSとの連携も標準対応しています。BetterCloudは現時点で日本語ローカライズも日本固有のコンプライアンス機能も提供していません。日本国内で事業を展開する組織や国内規制コンプライアンスが必要な組織には、Josysがより適切な選択肢です。
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